各科コース説明

内科研修コース

当科の特徴

当院の内科メンバーは、現在常勤医師が8名、嘱託常勤医2名、後期研修医2名、初期研修医3名が従事しており、非常にバランスがとれた構成となっています。そのうち内科指導医兼専門医5名・専門医4名・認定医5名と各人が内科全般に精通しているのはもちろん、サブスペシャリティーとして消化器病学会指導医兼専門医3名、消化器内視鏡学会指導医3名、肝臓学会専門医1名、循環器病学会専門医2名、心血管インターベンション学会認定医1名、透析学会指導医兼腎臓病学会指導医1名、糖尿病学会専門医1名、リウマチ・膠原病学会認定医1名と各人がそれぞれ専門分野を持っており、総合病院に対する幅広いニーズにも十分対応しています。
当院の一番の特徴としては、健診センターを施設内に併設しているために、二次健診精密検査数が他の同規模病院に比較し大変多いことが挙げられます。健診からスムーズに疾病の2次予防を実践する体制になっていることが一番の特徴です。
また腎臓部門では三重県に数少ない腎臓専門病院として最新の治療に努めており、血液透析患者は平成22年度現在82名、持続携帯型腹膜灌流患者は8名おられます。
その他内分泌・糖尿病部門、呼吸器部門、リウマチ・膠原病部門も日々進歩する最新の医療を積極的に取り入れて診断・治療を行っています。
以上より研修医の皆さんに対する内科の指導方針としては、一人前の医師となるために必要な幅広い知識や経験の習得のみならず、各種専門的な手技の習得に関しても十分にサポートしていくことを基本としています。そしてそのための症例数も十分ではありますが、逆に忙しさにかまけて流されてしまわないよう様、1例1例をじっくり吟味するための配慮も同時に行っています。

研修目標

昨今の現代社会から要求される医師のレベルは年々上昇しており、これに十分対応出来る能力を身につける。具体的には日常診療で遭遇する内科疾患への理解を深め、SOAPの考え方に基づき正しい診断を導き出す診断力の向上、診療テクニックのマスター、様々な検査技術の習得などを目標とする。一方で、ヒューマニズムあふれる医師を目指すことも忘れない。

研修期間

6ヶ月

研修内容

病棟研修:上級医との2人主治医制をとり、患者を受け持つ。6ヶ月で50人以上の症例を経験する。上級医として消化器、循環器、呼吸器、腎臓、内分泌・糖尿病の担当医が原則1〜3ヶ月ずつ指導を行う。
その他の分野として血液、神経、アレルギー・膠原病、感染症、中毒などについては、症例の有無により、随時担当する。 外来(救急)研修:必要に応じ、上級医について外来診療の研修をする。特に時間外については積極的に参加する。
各種検査研修:胃透視、胃カメラ、注腸透視、大腸内視鏡、逆行性膵胆管造影、腹部エコー、心エコー、心臓カテーテル、気管支鏡等 各種手技研修:採血、末梢血管確保、各種カテーテルの挿入、気管内挿管、骨髄穿刺、髄液穿刺、カウンターショック等。

研修評価

  1. 日本内科学会認定内科認定医の病歴要約に準じた様式で経験症例のうち各分野2症例ずつ提出する。
  2. 到達目標の到達状況を自己評価し提出してもらう。その後各上級医の評価を加え、実際の到達状況を再確認しその後の自己研鑽に役立てる。

小児科研修コース

当科の特徴

当院小児科は、四日市市北部に位置し一般小児を対象とした外来診療、入院治療、救急医療を行っています。外来診療は午前は小児の一般外来診療を、午後は専門外来として予防接種、乳児健診、専門外来(腎炎、喘息、てんかん、アレルギーなどの慢性疾患)を行っています。小児科の入院ベッド数は5床で、年間入院患者数は約100人です。
当院は四日市市の救急医療の輪番制に組み込まれていて、当番日には小児科医が当直をして小児救急患者の診療を行っています。
毎月、北勢地区小児科臨床懇話会に参加しており近隣の小児科医と症例検討と勉強会を行い、情報交換をしています。また院内外の勉強会や講演会にも積極的に参加して小児科以外の知識の習得を可能にします。

研修目標

小児科および小児科医の役割を理解し、小児を対象にした保健および医療を実践するために必要な基礎的知識・技能・態度を習得する。
家族(主に母親)、病児との医療面接によって良好な信頼関係と人間関係を確立し、以後の医療がスムーズに行える様なコミュニケーションのとり方、対処方法を習得する。
外来診療の研修では日常的な疾患を数多く経験し、それを診断、治療し生活指導を行う知識と技術を習得できます。
専門外来において循環器疾患(先天性心疾患、不整脈など)、痙攣性疾患(熱性痙攣、てんかんなど)、アレルギー疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、食事アレルギーなど)等の診断、処置、治療などを学ぶ。
-ケ月間のうち6日間担当している四日市地区の病院群輪番制による救急外来(夜間、休日)において救急医療を体験することにより発熱、痙攣、喘息などによる呼吸不全、異物誤飲誤嚥、腸重積などの小児救急疾患の種類、診断、病態の把握、対処法を学び重症度に基づくトリアージの方法を学ぶ。
更には病児のみでなく乳幼児の健診を行うことで小児の成長、発達の持性を学び母親の育児不安を解消して育児支援に役立つことを学ぶ。
予防接撞外来においては定期の予防接種を体験し、小児期に行う予防接種の種類、望ましい接種時期、接種方法、接種後の副反応や禁忌などについても学ぶ他、海外渡航者などたいする臨時の予防接種を学ぶ。

研修期間

1ヶ月

研修内容

  • 小児科患者およびその家族と良好な信頼関係を築く事ができる。
  • 患児・家族の社会心理的背景を理解し、適切に対応できる。
  • インフォームドコンセントを得て診療行為を行える。
  • 患者、家族のプライバシーを守ることができる。
  • 医療チームの一員としてコメディカルスタッフと協力して診療を実践できる。
  • 病院・病棟の規則に従って行動し、患者の安全の推進を実践できる。
  • 小児患者とその保護者への医療面接より適切な情報収集を行える。
  • 小児期の成長段階に応じた身体診察より適切に身体所見を評価できる。
  • 小児の成長、発達を評価できる。
  • POSに従った問題解決型思考を実践し、POMRによるカルテ記載ができる。
  • Evidence based-medicineに拠った評価、分析ができる。
  • 患児、家族に対して適切に病状説明を行える。
  • 小児から静脈採血を行える。
  • 小児から動脈採血を行える。
  • 小児の静脈針留置を行える。
  • ワクチン接種を行える。
  • 腰椎穿刺を行える。
  • 簡易検査を行える。
  • 小児の血液・便・尿・髄液検査結果を評価できる。
  • 小児の放射線検査結果を評価できる。
  • 小児の生理学的検査結果を評価できる。
  • 頻度の多い小児期の感染症の診断と治療を行える。
  • 小児のアレルギー疾患に対する診断と治療、指導を行える。
  • 小児救急疾患(脱水、痙攣発作、喘息発作、腸重積)に対する処置を行える。
  • 小児に対する蘇生およびアナフイラキシーに対する緊急処置を行える。
  • 小児科専門医の診察が必要な患児および外科的救急疾患患児のトリアージを行える。
  • 乳児健診、予防接種、学校保健などの小児科医の保健活動を説明できる。
  • 小児慢性特定疾患の申請書を適切に記載できる。
  • 被虐児症候群、来院時死亡、乳児突然死症候群、伝染病に対する法律的対応を説明できる。
  • 回診・検討会・勉強会で発表できる。
  • 回診・検討会・勉強会で意見を述べることができる。

研修評価

毎週、研修内容を指導医に報告して研修目標の到達状況を説明し、要望や修正を加える。
研修の終わりに、研修責任者、各指導医からなる卒後臨床研修委員会で、研修成果の評価を行う。

研修スケジュール

 月  火  水  木  金
午前 一般外来 一般外来 一般外来 一般外来 一般外来
午後 乳児健診 予防接種 慢性疾患 慢性疾患 慢性疾患
 症例検討会
(1/M)
 CPC(1/2M)

外科研修コース

当科の特徴

外科の病床数は50床でほぼ満床の状態です。手術数は平成22年度統計で1141例ありました。当科は一般外科以外に大腸肛門病センターを有しているため、肛門・大腸疾患の手術症例が多いのが特徴となっています。大腸内視鏡検査も年間1864例を越え、近年増加傾向にあるIBD〈潰瘍性大腸炎、クローン病〉患者は三重県下全域に及んでいます。

研修目標

患者へのきちんとした接遇態度を学び、患者・家族が理解し納得できる病状説明ができる。 常診療で遭遇する外科疾患についての理解を深め、基本的な診断技術に習熟し、正しい診断を導き出せる。 切開・縫合などを始めとする基本的な外科的手技をマスターする。 救急処置を始めとするプライマリーケアが行える。 麻酔の基礎知識を習得し、全身麻酔に対応できるようになる。 胃内視鏡、胃透視、注腸透視などの基本的な検査技術を習得する。

研修期間

外科麻酔研修: 4ヶ月
救急研修:   2ヶ月

研修内容

外科研修オリエンテーション

  • 医師としての心構え、診療態度について研修を受ける。
  • 輸液・経腸栄養の基礎知識を講義にて学ぶ。(NST担当医)
  • 手術の基本手技を学ぶ。(梅枝大腸肛門病センター長)

実習

  • 上級医との二人主治医制を取って患者を受け持つ。
  • 自ら投薬や点滴の処方を行う。
  • 静脈留置針やCVCカテーテルの挿入をマスターする
  • 外科疾患について理解し、手術に必要な術前検査を行う。
  • 手術適応、術式の選択、局所解剖を学んで助手として手術に参加する。
  • 局所麻酔の外来手術、虫垂炎、ヘルニア、胆石症などの執刀を行う。
  • 術後管理について学び、手術内容や予後について患者や家族に説明する。

麻酔科研修

  • 麻酔指導医について麻酔の基礎知識を学びながら、脊椎麻酔、硬膜外麻酔、全身麻酔を実践する。
  • 気管内挿管、動脈圧モニター、CVC・スワンガンツカテーテル挿入の手技を行う。
  • 麻酔の合併症と対処法について学ぶ。

救急研修

  • 協力病院の市立四日市病院、県立総合医療センターの救急部で、救急患者の診断、プライマリーケア、救命処置、緊急検査について学ぶ。

検査実習

  • 直腸鏡・肛門鏡検査、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査、超音波検査、胃透視検査、注腸透視検査などを自ら行う。

研修評価

毎週、研修内容を指導医に報告して研修目標の到達状況を説明し、要望や修整を加える。 研修の終わりに、研修責任者、各指導医からなる卒後臨床研修委員会で、研修成果の評価を行う。

整形外科研修コース

当科の特徴

整形外科は運動器を扱う診療科のひとつであるため、治療効果が患者さんの生活環境(体の使い方など)に大きく影響されるという特徴をもってます。すなわち、診断名のみでは、その患者さんに対しての適切な治療が必ずしも出来ないという難しさのある科でもあります。
当科では、ひとつひとつの病気やけがに対する治療はもちろんのことですが、それに加え、その患者さんの生活環境や体全体、性格的なものも考慮し、我々の治療が、それらにどのような影響を与えるか、という観点から必要な治療手段を選択するという見方ができるように、医師のみならず理学・作業療法士やナース、その他パラメディカルとのチーム医療を重視しています。例えば、毎朝の理学療法士との合同カンファでは前日に診療した入院&外来患者の検討を、月一回の入院患者に対する合同カンファ(理学療法士やナースはもちろんのこと地域連携室や栄養室も加え)では、各方面の観点から、治療内容や今後の方針のみならず、今後この患者さんがより良い人生を送ってもらうために今我々が出来ることなどを検討しております。このようなチームの中に溶け込んでいくことは、医師としての基盤を作るうえでもとても重要なことと思います。
また、当院の特徴として、腰痛などの脊椎疾患の患者さんが多いということがあげられます。毎年の平均手術件数は320件前後、平均入院患者数は35人前後ですが、その1/3以上は脊椎疾患です。これは、他院の整形外科に比べかなり高い比率になってます。その他は、人工関節などの変性疾患、骨折などの外傷となってます。つまり、当院の整形外科では、整形外科全般についても学べ、その上で脊椎疾患というスペシャリティも経験できるという利点を持っております。今後、整形外科医を目指す、あるいは腰痛などの脊椎疾患に興味がある、そういった先生方、大歓迎します。

研修目標

色々な角度から病態を診ることが出来る習慣を身に付ける。
→ その上で、自分の持っている治療手段を適切に使える。
→ その治療手段を使った効果を知ることができる。
→ その結果、自分の治療手段のレパートリーを増やしていく。
こういった流れで、研修後も自分を発展させていくための基礎を作ることが最大の目標です。

研修期間

1年目
•必須科:内科6ヶ月間、救急3ヶ月間
•必須選択科:3ヶ月間を、外科、麻酔科、小児科のうち2科を選択し研修
(麻酔科2ヶ月、外科1ヶ月など)

2年目
•1ヶ月の地域医療研修
•11ヶ月:整形外科研修
自由選択科の一つとしての対応も可能です

研修内容

基本的には常勤の整形外科医と同じカリキュラムで行動し、チームの一員となることから始まります。
その中で、上級医とのペアで入院患者を担当、検査治療に参加します。
1.診察&診断:実際の診察のみならずふるまいを観察すること、それを基にして診断が出来ること
2.診断をより明確な物とするための各種検査が選択、実地が出来ること
3.実際に投薬、手術などを上級医の指導の下行い、治療を完投する事が出来ること

特に興味を持った疾患からこのような流れで修得、自分にあったペースで自分の持つ治療手段のレパートリーを増やしていきます。

整形外科週間スケジュール

毎朝8:30より      理学療法士との検討会(前日の診療患者の検討)
午前           外来担当と病棟回診担当に分かれます。

午後 特殊検査
(脊髄造影など)、
手術
特殊外来、
特殊検査
(選択的神経根
ブロックなど)
ギプス外来 特殊検査
(脊髄造影など)、
手術
総回診、
総合カンファレンス

初期研修後

引き続き、当院整形外科での後期研修も可
その後(あるいは同時に)、三重大学整形外科学教室入局も可

婦人科研修コース

①院内婦人科研修  1ヶ月
②院外婦人科研修  1ヶ月
③産婦人科コース(第二年次において産婦人科を専ら研修するコース:研修プログラムチャート参照)

当科の特徴

研修の特徴:最近の医療界の趨勢に漏れず、当院においても2007年3月より分娩取り扱いを停止し、院内では一般婦人科および産科初期~中期の外来管理等を行っております。
従って、①においては院内行われている外来婦人科診断および管理、入院患者(主に婦人科手術目的)の診療、手術、および麻酔を含む周術期管理を研修することになります。
②、③のコースは地域周産母子センターを持つ四日市市内の2病院のいずれかにおける研修となります。いずれの病院も母子センター認定施設であり、特に産科代表的疾患の管理を十分学べる環境であります。尚、③の課程はもっぱら将来の婦人科専門医を目指す諸氏へのコースであり、婦人科医療の三本の柱である周産期学、婦人科腫瘍学、生殖補助医療分野のいずれをも基本習得する必要ありますので、その他の三重大学関連施設あるいは生殖補助医療に特化したクリニックにおける研修等も考えていかねばならないのですが、現在の卒後臨床研修制度におきましては事前に協力型臨床研修病院を指定しておく必要がありますので、場合により後期研修に委ねなければならないかもしれません。その当たりは研修指導医が十分に配慮していきたいと考えています。

麻酔科研修コース

当科の特徴

麻酔科スタッフは常勤1名で、平成24年度1626件の手術のうち全麻802件を管理しています。症例は主に外科・整形外科・婦人科で、外科はIBD症例、整形外科は脊椎症例が多いという特徴があります。

研修目標

安全な麻酔管理ができるように、術前評価および周術期管理が行えるようになる。

①気道の評価と気道確保

  • 術前に気道の評価を行い、気道確保のプランを立てられる。
  • マスク、ラリンゲアルマスク、喉頭鏡を用いた気管挿管の他、気管支ファイバーを用いた経鼻挿管や他の器具を用いた気管挿管ができる。

②麻酔管理

  • 術中の麻酔管理が行える。
    (小児外科・脳神経外科・心血管外科・呼吸器外科症例は他病院での研修)
  • 高血圧・虚血性心疾患・糖尿病など一般的な合併症に対応できる。
  • PCAポンプを用いた術後疼痛管理ができる。

③基本的手法

  • 静脈路確保ができる。
  • CVC(内頚静脈)挿入ができる。
  • 硬膜外麻酔ができる

研修期間

1ヵ月

研修内容

日々の麻酔を通じて研修を行い、上記研修目標を目指します。

研修スケジュール

午前 術前外来 麻酔 麻酔 術前外来 麻酔
午後 麻酔 麻酔 麻酔 麻酔 麻酔