診療・各部門
業務内容
入院患者さんの半数以上は整形外科疾患が占めています。骨折、変形性関節症の手術前後のリハビリテーション(以下リハビリと略す)を医師・看護師・薬剤師など多職種チームで行い、良質で安全な患者さん中心の医療・福祉を目指して取り組んでいます。毎朝の画像カンファレンスや回診には療法士も参加します。内科では、主に肺炎・心不全・脳梗塞、認知症、がん、嚥下障害などの患者さんについて医師と相談しながら、症状に合わせたリハビリを行います。また、外来リハビリ通院にも理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が対応し、地域貢献しています。
地域包括ケア病棟は2010年より導入しており、治療終了後に自宅生活が困難な方を対象にリハビリを行うことができます。病棟の理念である「入院して良かった、と言ってもらえる病棟であり続ける」に向かい、患者さんに寄り添うケア・リハビリを提供する中で、カンファレンスへの参加や生活環境を考えた練習、退院後の支援を含めた情報提供、環境調整・福祉用具の提案、自宅訪問を行い、安心して退院できるよう支援を行います。
訪問リハビリでは、介護保険認定を受けられている方や難病指定されている方を対象に、日常生活能力の向上や社会参加を目標としてリハビリを行います。ご自宅まで伺いますので、通院に不安のある方や、外来通院が難しい方はご相談ください。
介護老人保健施設では、入所、短期入所、通所リハビリを利用する全ての方に個別対応します。
入所者は心身の機能維持を目的に、できれば住み慣れた自宅へ戻られるよう週3回程度のリハビリを行います。特に短期集中リハビリ対象者(入所後3か月間)は毎日リハビリを行います。自宅へ戻る前には家屋訪問にて実際に動作を確認し、問題解決に向けて住宅改修のアドバイスを行います。また、希望者には福祉用具を検討させて頂きます。
短期入所(ショートステイ)利用者は、数日~1週間程度の利用が多く、毎日リハビリを行い日常生活活動(ADL)の維持・向上を支援します。
通所リハビリ(デイケア)利用者は、要支援の方も、要介護の方も住み慣れた自宅で継続して生活ができるようにリハビリを行っています。また、短期集中リハビリ対象者(退院または退所後3か月以内)は40分間の集中的な実施が可能です。また、利用開始前にサービス担当者会議へ出席し、多職種で相談・連携することでより良いサービスが提供できるよう取り組んでいます。
リハビリテーションスタッフ(病院、介護老人保健施設、訪問含む)
理学療法士17名(介護老人保健施設、訪問リハビリ含む)
作業療法士5名(介護老人保健施設含む)
言語聴覚士1名
事務員1名
理学療法
当院では以下の様な理学療法を行っています。
1.徒手療法
筋・筋膜に対してマッサージなどを行い、痛みの緩和、筋収縮の円滑性を回復させます。
2.ストレッチング
皮膚・筋・その他の組織に対して長時間伸張を行い、痛みを緩和し、関節可動域を改善させます。
3.筋力強化・筋の協調性
筋収縮力や動きの協調性を改善させます。
4.起居動作
寝返る、起きる、座る、立つなどの動作を練習します。
5.移動動作
這う、歩く、階段昇降、車椅子操作、松葉杖や歩行車を扱う練習を行います。
6.物理療法
ホットパック、低周波、超音波などを用いて治療の補助とします。
7.心臓リハビリ
心臓病の方には、循環状態を評価しながら専門スタッフが理学療法を行います。
8.呼吸リハビリ
呼吸器疾患の方には、呼吸状態を評価しながら理学療法を行います。
9.腎臓リハビリ
腎臓病や透析患者さんには、全身状態を評価しながら理学療法を行います。
10.がんリハビリ
化学療法、手術、病状悪化で入院する方にリハビリ介入(理学・作業療法・嚥下評価)を行います。
11.新型コロナ感染症患者リハビリ(発症早期より取り組み開始!)
隔離病棟では、せん妄、精神や身体の衰えが生じやすいため、2022年11月よりコロナ病棟に入院した方にも、早期リハビリ介入を始めました。
12.糖尿病リハビリ
教育入院の方には、運動療法を専門スタッフが指導・実施します。
13.失禁外来リハビリ
失禁に対する運動療法を専門スタッフが指導・実施します。
作業療法
1.上肢機能練習
関節の動きの回復を促す練習です。 つまみや握りなど、巧緻動作の回復を促す練習です。
2.筋力強化運動
外傷や手術後など、筋力低下している筋肉に対して運動を行います。
3.日常生活練習・指導
生活環境を模倣しながら生活動作練習を行います。
4.福祉用具の選定・紹介
小児リハビリ
からだやこころの発達や行動の調整、感覚や認知の発達をサポートします。
様々な感覚刺激あそびを通して、まわりの人との関り方・食事・着替えの仕方などの練習を行います。
言葉の遅れや上手く発音できないお子さんの言語練習も行っています。
※ご家庭の中にもリハビリの要素は多く含まれています
親御さんとともに考えアドバイスさせて頂きます。
言語聴覚療法
1.言語練習(話すこと)
脳血管障害や神経難病などによりコミュニケーションが難しい患者さんに言語・発音・発声練習を行っています。言葉の遅れや上手く発音できないお子さんの言語練習も行っています。
2.高次脳機練習(脳の機能)
記憶障害や失語症などの高次脳機能障害がある方の評価・練習を行っています。物忘れが気になる方は、脳神経内科医の指示のもと認知機能評価を行っています。
3.嚥下練習(口から飲んだり食べること)
患者さんの状態に合わせて氷や水で間接的に、食物で直接的に嚥下練習を行っています。