婦人科

診療・各部門

担当医

診療内容

当科は主に健診に注力し、これを通じて診療にあたっています。今回は特に健診センターから受健者に届ける要精密検査とそのフォロー(精査)の流れについて紹介します。
婦人科健診の主眼は子宮頸がん検診であり、当センターにおいては他に内診、経膣超音波断層法をほぼ全例に施行しています。よって精査対象となる疑い(病名)は細胞診異常、腫瘍性病変の可能性、その他ということになります。

【主眼となる細胞診異常とその精査】
当院では世界基準にあわせ、ベセスダシステムによる子宮頸部細胞診判定を導入しています。ASC-US、ASC-H、LSIL、HSIL、SCC、AGCという略号を用い、細胞診異常を判定します。ここでASC-USのカテゴリー群については、子宮頸がんの大半(95%以上)はヒトパピローマウイルス(HPV)持続感染による細胞変化から異型細胞を経て癌化すると考えられていることから、二次検査の前のステップとしてHPV検査を行うのが推奨されており、精密検査においても説明同意後、これを行っています。HPV陽性者については二次精密検査に移行します。HPV陰性者については(まれにHPV非検出者においても異型細胞が出現するため)、間をあけての細胞診再検を勧めています。

【細胞診異常に対する二次精密検査】
細胞診異常例に対して(むろん、外来受診者への細胞診検査、他施設からの紹介患者例もあるが)、学会推奨基準に準拠し、外来にて二次検査を施行します。すなわち、コルポスコープ下、組織生検です。これにより、CIN分類が得られます。これは1~3に分かれますが、CIN3はのちの癌化率が高い(旧分類高度異形成異常)ため治療域と考えられています。治療は病変部位のみを広く採る子宮頸部円錐切除術が通常適応となり、当院では3泊4日ほどの入院で行っています。
他の症例については画像診断なども併せ、進行期を推定、適応する加療を要することとなります。

【その他の要精査判定への二次検査】
健診時点での疑い病名としては、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、卵巣腫瘍の卵巣腫大性疾患疑い、子宮頸管ポリープ、多発頸部嚢胞、子宮内膜肥厚といったものがあげられます。子宮筋腫、卵巣嚢腫については小さい物まで含めるとかなり多くなるので、サイズ、位置、見え方、年齢などを加味して、健診担当医の判断で要精査、経過観察、軽度異常に篩い分けています。外来精査ではエコー再検、MRIなどの追加検査を行っています。特に卵巣子宮内膜症(チョコレート嚢胞)はMRIの診断価値が高く、小さなものでもフォローや年齢症状によって投薬治療などの介入を要することが多いです。
なじみが薄いと思われるのが最後の「子宮内膜肥厚」でしょう。健診では細胞診チェックを行えない子宮体癌の一次スクリーニングともいえます。通常、子宮内膜が菲薄化するはずの閉経後数年経過対象では5mm程度以上の内膜の厚み、月経のある年齢層では15~20mm以上で要精査対象とする場合が多いが、像の不整や液体貯留像合併なども加味して判断します。二次精査としてはエコー再検、内膜細胞診、吸引組織診などを行い、必要に応じて半日入院、麻酔下の子宮内膜全面掻爬を行っていきます。

実績

■2019年度の実績
2019年4~9月の実績として、当院への二次検査受診件数(受診者病名重複あり)は、子宮頸部細胞診異常で①ASC-US11件②ASC-H1件、LSIL7件、HSIL1件(旧分類クラスⅢ)、③その他に筋腫・腺筋症33件、頸管ポリープ28件、子宮内膜肥厚19件、卵巣嚢胞26件であり、前年と同様の傾向です。